住む人が減ったら、地域は再生できないのか? 関係人口を社会学の見地から定義し、その役割を論じた本邦初の「関係人口の研究書」。各地の事例と新たな理論の枠組みによって関係人口を位置づけ直し、人口減少時代の地域再生の方向性を示す。
「関係人口」とは、「定住人口」(移住)でもなく、「交流人口」(観光)でもない特定の地域に様々なかたちで関わる人々を指す語で、地域社会の課題解決につながる新たな地域外の主体として近年脚光を浴びている。本書では、関係人口という新たな主体の存在と、関係人口が地域の再生に果たす役割を明らかにすることで、これからの人口減少時代における地域再生の在り方と、再生に向けた具体的な方法論を示す。新型コロナウイルスの影響を踏まえて今後の地域と関係人口を検討する補論も付している。
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【ゲスト:田中輝美 プロフィール】
島根県浜田市生まれ。大阪大学文学部卒。山陰中央新報社記者として、琉球新報社との合同企画「環(めぐ)りの海−竹島と尖閣」で2013年新聞協会賞を受賞。2014年、同社を退職し、フリーのローカルジャーナリストとして、変わらず島根に暮らしながら、地域のニュースを記録している。主な著書に『関係人口をつくる―定住でも交流でもないローカルイノベーション』(2017年、木楽舎)、『ローカル鉄道という希望―新しい地域再生、はじまる』(2016年、河出書房新社)など。2018年度総務省ふるさとづくり大賞奨励賞受賞。2020年、大阪大学大学院人間科学研究科後期課程修了。博士(人間科学)。2021年4月、島根県立大学地域政策学部准教授に着任。また、過疎の発祥地から「過疎は終わった! 」と問い、百年続けることを掲げる新しいかたちの年刊誌『みんなでつくる中国山地』も仲間と創刊した。
【インタビュアー:佐藤達郎 プロフィール】
多摩美術大学教授(広告論 / マーケティング論 / メディア論)、コミュニケーション・ラボ代表。学会活動として、日本広告学会常任理事、日本広報学会理事、日本マーケティング学会ブランドマネージャー制度研究会リーダー、WOMJ(クチコミ・マーケティング協議会)理事<前理事長>等を努める。ビジネスの世界では、小田急エージェンシー社外アドバイザー、古河電池社外取締役など。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校→一橋大学→ADK→(青学MBA)→博報堂DY→2011年4月より現職。著書に『「これからの広告」の教科書』、『自分を広告する技術』、『教えて!カンヌ国際広告祭』等がある。